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婦人公論 2022年4月26日号

気分と口角を上げて、マイペースに
 ベストな自分でいるためのちょっとの努力と東方神起
 賀来千香子 女優
 

  ヘアメイク  :板倉タクマ(ヌーデ)
  スタイリング:藤井享子(banana)



 女優、そしてモデルと素敵に輝き続ける賀来千香子さん。
 いくつになっても若々しく、変わらないプロポーションをキープするための秘訣とは−。


日常生活の中で無理なくエクササイズ
 

 最近は、以前にいまして健康でいられることのありがたさを実感しています。
 自分自身はもちろん、家族やまわりの大切な人たちも一緒に年を重ねるにつれて、
 いつも元気!と言うのは当たり前ではないのだなと思うようになりました。
 それに女優の仕事って、身体が資本。
 しかもハードです。健康と同時に体力も要求されます。
 ベストなコンディションでいるためにも、年齢とともにちょっぴり努力が必要に
 なってきました。
 というのも、40代後半にさしかかったところ、高いヒールの靴を履いて階段を
 下りていた時、転んで骨折してしまったのです。
 とっさの時に身体を支えられないのは、体幹が弱っている証拠。
 このままじゃいけない、と思いました。
 かといって、パーソナルトレーナーについてトレーニングするのは、あまり私に
 向いてないみたいです。
 「予習と復習をちゃんとしてトレーナーの要求に応えなくては」
 と一生懸命になりすぎて、ヘトヘトになっちゃうことも。(笑)
 自分のペースで体を調整するには、日常生活の中に無理なくエクササイズを
 取り入れるのが一番。
 そこで、自宅では椅子代わりにバランスボールを使うことに。
 すると、それだけでも弱っていた体幹がかなり回復しました。
 3年ほど前からは、自己流のダンベル体操も毎日行っています。
 0.5キロのダンベルを左右1つずつ持って、腕の上げ下ろしや胸筋を開く運動、
 身体の後ろに腕を振り上げる動きをするのです。
 そしてダンベルを持ったままスクワットを、54回×4セット、プラス33回。
 中途半端な数だと思われるかもしれませんが、身体に適度な負荷がかかる
 回数を模索していてたどり着いた、自己流のやり方です。
 結構キツい時もあります。(笑)
 
 でも、身体ってすごいですよね。
 続けていると、きちんと応えてくれる。
 以前は、買い物に行ってたくさん荷物を持つと片方の肩がさがってしまう等、
 左右のバランスが崩れていましたが、今はそんなことはありません。
 それにダンベル体操をすると、二の腕のラインがきれいになるので、今日
 みたいにノースリーブの服も自信をもって着ることができます。
 体幹がしっかりしてきたおかげで、ちょっときついポージングも安心です。


鰻や焼き肉を食べたい日もある
 
 5月には舞台『しあわせの雨傘』の公演が控えているので、今年に入ってから、
 さらなる体力づくりをするために早歩きも始めました。
 最初は歩き方がぎこちないし、かなり疲れていたことも。
 でも頑張って数日続けてみると、気持ちよく歩けるようになり、どんどん楽しく
 なってきたから、最後は少し走ったりするほどになりました。
 3キロ早歩きをして1キロ走るのが今のペース。
 忙しさの度合いやお天気と相談しながら続けています。
 疲れて肩が凝ったり、腰が痛い時も、早歩きすると身体が調整できるのが
 楽になるんですよ。
 ちょっと、オススメです。
 女優だけでなく、モデルとしての仕事もしちいるので、食生活にも一応、
 気をつけています。
 あまり緩んだ身体だと、「きちんとできていない私って、ダメだわ」と自責の念に
 駆られるので、自分なりに納得がいくようにはしたいと、いつも思っています。
 といっても、無理な食事せいげんをしているわけではありません。
 ただ、身体の声をよく聞くことを心がけていますね。
 野菜をたくさん摂りたい時もあれば、お肉を食べて元気を出したい時も
 ありますから。
 おもしろいもので、シリアスな役柄を演じる仕事に没頭している時期は、
 気分的にあまりたくさん食べられません。
 だから結果的に体重が落ちて、より役の雰囲気に近づくということも。
 一方で、鰻や焼き肉などスタミナがつくものを思いっきり食べてエネルギーを
 補充したい時は躊躇しません。
 ただし、毎日体重計には乗るようにしています。
 自分で自分の身体の状態を把握しておくのはとても大切だと思うので。
 体力づくりも食生活も、私の場合、あまり無理はせず、ちょっとだけストイック、
 といった感じでしょうか。






女優という仕事が私を成長させてくれた

 フィジカルももちろんですが、何より笑顔で過ごすことが、若々しくいるために
 大事なことだと思っています。
 不平不満などネガティブなことを口にすると、口角が下がるでしょう。
 そうすると寂しい顔になり、老けて見えます。
 逆に口角が上がっていると、イキイキとし、若々しい印象になれる。
 ですから不満顔をして高価な化粧品を使うより、楽しい気分でいて自然に
 口角が上がっているほうが、効果的なのではないでしょうか。
 私は仕事のスタッフをはじめ、まわりの人たちにも楽しい気分でいてもらいたい
 と思っています。
 せっかくご縁があって出会えたのだから、楽しいエネルギー溢れた状態で、
 仕事をご一緒したい。
 だからこそ、素直でいることを心がけています。
 何かを学ぶ時には学ぼうという姿勢、聞く時には聞こうという姿勢が整っていないと、
 結果が大きく変わってくると思うのです。
 さらにいえば、仕事で誰かに意見を言わせていただく時は、心を込めて伝えきる
 事が大事だとも思っています。
 何事も、私一人の力ではできません。
 思いが伝わるコミュニケーションをして、お互いが笑顔でいられれば、自然と優しい
 空気が流れてるのではないでしょうか。
 女優という仕事が私を成長させてくれたので、今は若い時以上に、頑張りたいと
 いう気持ちでいっぱいです。






テンションをあがる秘策は東方神起

 おかげさまで仕事は順調で、本当にありがたいのですが、撮影などが重なって
 疲れがピークに達すると、「やっぱり歳かしら」と感じることもあります。
 実は今も、ちょっと大変で…。
 先ほどお話したおとおり、5月から『幸せの雨傘』という舞台という舞台で主演を
 務めさせていただくのですが、フランソワ・オゾン監督が映画化し、カトリーヌ・
 ドヌーブさんが演じた役。
 プレッシャーが半端でありません。
 しかも、つい最近までドラマの撮影もあったので、なかなか舞台の準備に専念
 できませんでした。
 私が演じるのは専業主婦で、夫は大きな工場を経営しているちょっと横暴な男性。
 ところがひょんなことから夫の会社の社長代行を務めることになったとたん、
 それまで彼女が秘めていた実力がどんどん発揮されていくのです。
 おしゃれなフレンチ・コメディですが、夫と丁々発止とやりあうシーンなど、女性が
 見たらきっと溜飲が下がると思います。
 その分、台詞も膨大で、覚えるのが大変。
 おとといの夜も、寝ている場合じゃないので、台本を開いたのですが、ついウトウト
 してしまい…あまりにも疲れていたので、これはもう前向きに寝るしかないと(笑)、
 ベットに入ってしまいました。
 昨日はテンションを上げるため、ご近所に迷惑にならない程度にいつもより
 ボリュームを大きめにして、東方神起のCDをかけました(笑)。
 聞くと「さあ、やるぞ!」と気分が上がります。
 ただ、日本語の歌詞だと耳と頭が言葉を追いかけてしまうでしょう。
 脳は台詞を覚えるためにとっておきたいので、韓国語バージョンで聞くのが、
 マイブームですね。
 おかげて昨日は、昼の12時半から明け方の4時まで、台本とにらめっこできました。
 さすがに疲れましたが「よく頑張った!偉かった」と自分をちょっと褒めてあげた。
 これも東方神起のおかげかしら。(笑)
 ファンになったのは3年ほど前。
 友人がライブに連れていってくれて、すっかりハマってしまったのです。
 ダンスや歌をどれほど努力を重ねレッスンしているのか。
 日本語を覚えるのも、苦労なさったと思うのです。
 ひたうきさとすがすがしさに、見ているだけで心が洗われます。
 真摯な姿勢は、やはり人の心を打つのです。
 ライブでは3時間半、見事なパフォーマンスを見せてくれて、最後に腰を
 90度に折り「ありがとうございます」と2人が挨拶すると、「いえいえ、『ありがとう』
 を言うのはこちらです!」と心の中で叫びたくなります。
 −などと人に厚く語ったら、先輩のファンの方々から、
 「ちゃんと5人の時代のものも見なきゃ」と言われて…。
 私がファンになった時には、現在のユンホさん、チャンミンさんの2人組になって
 いましたから。
 ちゃんと見ましたよ、5人だったころの東方神起のDVDも(笑)。
 5人組も、やっぱりステキでした。
 あらっ、東方神起の話をしてると、私、口角が上がりっぱなしになりましたね。(笑)
 そんなふうに気持ちを盛り上げてくれるものがあることも、大事なのかもしれません。
 私にとってはそれが東方神起であり、先日ライブを拝見したマドンナであり…。
 プロフェッショナルなパフォーマンスはテンションが上がります。
 そうそう、最近オーロラを見る機会があって、すごく感動したので、オーロラの映像が
 おさめられたDVDを買いました。
 見ていると心が癒されて、落ち着きます。
 今は、とにかく女優の仕事をもっと頑張りたいという気持ちでいっぱいです。
 ですから邦画、洋画問わず、素晴らしい方の演技をたくさん見たいのですが、
 映像を見始めると次々と見たくなり、どんどん時間が足りなくなっちゃう。
 5月の舞台が終わるまでは、ちょっとお預けですね。





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